古くから牛と人が強い絆で結ばれてきた中国山地を舞台に、近代化と過疎化のなかで失われゆく生活文化史を記録したドキュメンタリー。
中国山地各地では、昭和30年代まで「牛馬市」という競り市が開かれていた。特に島根県邑南町では、出羽・亀谷・阿須那などで大規模な牛馬市が開かれ、昭和の最盛期には出羽牛馬市に8000頭以上もの牛馬が、博労と呼ばれる家畜商に連れられて集まったという。市には露天商やサーカスなどの催しも出されたことから多くの人々で賑わい、地元の農家や住民が牛馬宿をしつらえるなど、地域経済を支える一大産業となった。農業の近代化以前、牛は農耕や荷役を担う重要な労働力であり、家族同様に大切にされていた。しかし近年では過疎化が進み、各地で伝承されてきた地域の生活文化や精神文化は消滅しつつある。牛によってもたらされた豊かな生活文化のありようが見えにくくなった現在、残り少ない伝承者の人々と向き合い映像を記録することが緊急課題となっている。
監督は、「タケヤネの里」「藝州かやぶき紀行」などのドキュメンタリー映画作家・青原さとし。島根県邑南町をはじめ、広島県、岡山県、鳥取県などで5年の歳月をかけて撮影をおこない、牛とともに生きてきた人々の想いを記録していく。
2025年製作/143分/日本
配給:一般社団法人コミュニティーパートナーズ瑞穂文化研究会

「中国山地 牛と人風土記」の解説
中国地方の山あいで牛と人が共に暮らした歴史や文化を記録したドキュメンタリー映画。昭和30年代まで大規模な牛馬市が開かれた島根県・邑南町各地のほか、広島県、岡山県、鳥取県まで取材、5年がかりの撮影と約1年の編集を経て、牛と人の壮大な生活史の記録が完成した。監督・構成・撮影は、「タケヤネの里」など、民俗文化・基層文化の記録映画作品を手掛けてきた青原さとし。本作ではナレーションも務めている。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 2026年10月24日公開予定
監督:青原さとし
