スイス出身でドイツにて映画制作を学んだ双子の映画作家ラモン&シルバン・チュルヒャー兄弟が2013年に発表し、世界各地の映画祭で注目を集めた長編デビュー作。「ガール・アンド・スパイダー」「煙突の中の雀」へと連なる「動物三部作」の第1作。
カリンは両親と幼い妹クララが暮らすベルリンのアパートを訪れる。夜には親戚たちも集まり、夕食をともにする予定だ。洗濯機の修理を待ち、台所のテーブルを囲み、オレンジの皮を使って実験をする。猫と犬が室内を歩きまわり、人々は出入りを繰り返す。特別なことは何も起こらないが、小さな行為が次の行為を呼び、ひとつの言葉が別の言葉へと連なっていくうちに、家族の平凡な1日は奇妙で精密な連鎖反応へと変化していく。
ラモンが監督・脚本・編集・サウンドデザインを手がけ、シルバンが製作を担当。2013年・第63回ベルリン国際映画祭フォーラム部門にて初上映。2025年・第26回東京フィルメックス上映作品。2026年10月、「ガール・アンド・スパイダー」「煙突の中の雀」とともに「ミニアチュールの詩学 チュルヒャー兄弟『動物三部作』」と題して劇場公開。
2013年製作/72分/G/ドイツ
原題または英題:Das Merkwurdige Katzchen
配給:グッチーズ・フリースクール

「ストレンジ・リトル・キャット」の解説
ベルリンに住む祖母を囲んで夕食を共にするために集まったある家族の平凡な一日を綴る群像劇。監督は本作がデビュー作となるスイス出身のラモン・チュルヒャー。製作は彼の双子の兄弟、シルヴァン・チュルヒャー。2026年10月30日(金)より全国公開の「ミニアチュールの詩学 チュルヒャー兄弟『動物三部作』」の一本として上映される(他二本は「ガール・アンド・スパイダー」<2021年>、「煙突の中の雀」<2024年>)。「動物三部作」における彼らの表現スタイルは、アパートの一室や古い実家など限定された閉鎖的な空間(ミニマムな世界)のなかに、人間の心理や複雑な関係性、世界の縮図を緻密に描き出すいうもの。大きな事件が起きるわけではなく、日常の「微細なもの」……コップが置かれる音、誰かの視線、料理の煙、ふとした沈黙など、日常の極めて小さなディテール(ミニアチュール)が積み重ねられていく。そうしたマクロな世界をミクロに縮めた映画に登場する「猫」「蜘蛛」「雀」といった小さな動物たちは、狭い家の中で暮らす人間たちのメタファー(比喩)でもある。小さな空間を徹底的に描くことで、人間の孤独、自由への渇望、家族の歪みといった普遍的で大きなテーマを浮かび上がらせている。2025年・第26回 東京フィルメックスの特集:ラモン・チュルヒャー『動物』三部作の世界」にても上映された。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 2026年10月30日公開予定
監督:ラモン・チュルヒャー
脚本:ラモン・チュルヒャー
出演:イェニー・シリー アンヨルカ・シュトレッヒェル ミア・カサロ ルク・プファフ マティアス・ディットマー アルミン・マレフスキ
