二階堂ふみ 「蜜のあわれ」 二階堂ふみに関して。「作家の妄想の中で擬人化された金魚」という非情に難しい役どころだが、たしかな演技力を感じさせる。全身のジェスチャーで金魚を表現し、感情はありつつもどこか人間らしくない話し方も流石。ただし、そのせいか逆に艶やかさが影をひそめている。

詩や俳句、随筆などさまざまなジャンルの作品を残した作家・室生犀星が、晩年の1959年に発表した会話のみで構成されたシュルレアリスム小説の古典を、「生きてるものはいないのか」「シャニダールの花」の石井岳龍監督のメガホンにより映画化。自分のことを「あたい」と呼ぶ愛くるしい赤子と、赤子から「おじさま」と呼ばれる老作家。親子以上に年の離れた二人だが、とめどない会話を交わし、夜になると体を寄せ合って寝るなど、仲睦まじく暮らしていた。赤子はある時は女(ひと)、ある時は真っ赤な金魚と姿を変えるが、普通の人間には彼女の正体はまったくわからない。そんな中、老作家の過去の女が幽霊となって現れた。赤子役を二階堂ふみ、老作家役に大杉漣。幽霊として登場する過去の女役を真木よう子が演じる。
2016年製作/105分/G/日本
配給:ファントム・フィルム
「蜜のあわれ」の解説
老作家と変幻自在な金魚の少女の秘密の恋を綴った室生犀星晩年の幻想小説を、「シャニダールの花」の石井岳龍監督が映画化。老作家と暮らすコケティッシュな少女。彼女の正体は金魚だった。そこへ老作家への愛を募らせた幽霊が現れ……。無邪気な金魚の少女に「私の男」の二階堂ふみが、老境の作家に「HANA-BI」の大杉漣が、過去の女の幽霊に「さよなら渓谷」の真木よう子が扮し、不思議な恋物語を紡ぐ。脚本は「私の奴隷になりなさい」の港岳彦。老作家と変幻自在な金魚の少女の秘密の恋を綴った室生犀星の幻想小説を、石井岳龍が映画化。老作家と暮らす無邪気でコケティッシュな少女・赤子の正体は金魚だった。ある日そこへ、老作家への愛を募らせた和装姿の女の幽霊ゆり子が現れて……。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 2016年4月1日
監督:石井岳龍
原作:室生犀星
出演:二階堂ふみ 大杉漣 真木よう子 高良健吾 永瀬正敏 韓英恵 上田耕一 渋川清彦 岩井堂聖子
