山田キヌヲ 女殺油地獄 舞台は大坂。油屋の次男で放蕩三昧の日々を送る与兵衛は、遊女にもとに通いつめた挙句に借金で首が回らなくなり、とうとう両親から勘当されてしまう。借金の返済に困った与兵衛が尋ねたのは、日ごろから何かと見守ってくれていた隣家の女房のお吉。
しかし借金の無心を断られた与兵衛は、思い余ってお吉を殺してしまう…。二人がもみ合ううちに油を貯めた壺が倒れ、お吉が逃げ惑っては滑り、与兵衛も追いかけては滑りと、油まみれの二人がもつれあうクライマックスの場面が印象的。原作は江戸中期に人気を博した浄瑠璃作家の近松門左衛門。その代表作ともいえる同名の原作を、脚本・富岡多恵子、演出・和田勉、主演・松田優作という豪華な布陣でTVドラマ化した傑作。親の金を注ぎ込んでは遊女との情欲に溺れ、暴力で己の欲望を手に入れる与兵衛が追い詰められていく様子を、松田優作が巧みに演じている。

これまでも何度か映像化されてきた近松門左衛門の浄瑠璃「女殺油地獄」を、俳優・演出家としても活躍する坂上忍が映画化。河内屋の跡取り・与兵衛は、妖艶な美しさで男を虜にする女郎・小菊に入れ込み、借金を重ねている。一方、油屋の七左衛門の妻・お吉は、夫に頼まれ与兵衛をいさめようとするが、小菊に夢中な与兵衛は聞く耳を持たない。その帰り道に、お吉は小菊に「もう花ではない」と嘲笑われ……。
2009年製作/86分/日本
配給:ジョリー・ロジャー
「女殺油地獄(2009・藤川のぞみ)」の解説
度々映像化されてきた近松門左衛門原作の人形浄瑠璃を、女の性に焦点を当てた大胆な解釈で映画化。脚本・監督は、「John and Jane Doe」の坂上忍。日テレジェニック2001の藤川のぞみが、映画初主演で妖艶な女郎役を熱演。他に出演は、「ニュータイプ ~ただ、愛のために~」の山田キヌヲ。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 2009年5月23日
監督:坂上忍
原作:近松門左衛門
出演:藤川のぞみ 山田キヌヲ 安田慎吾 柳憂怜 火野正平


