石田ひかり はるか、ノスタルジィ 大林宣彦監督が北海道・小樽を舞台に小説家と少女の、タイトル通りノスタルジックなタッチで描いた恋愛ファンタジー。綾瀬慎介(勝野洋)は小樽を舞台とした少女小説で人気の作家。彼は少年時代を過ごした小樽での痛ましい記憶を胸の奥深く閉じこめていた。
しかし慎介の小説の挿絵を描いていた紀宮(ベンガル)の突然の死をきっかけに、再び小樽を訪ねる。そこで慎介は記憶の中の少女・遙子(石田ひかり)にそっくりな、はるか(石田ひかり)という名の少女と出会う。はるかは慎介に不思議な感情を起こさせ、忘却したはずの記憶を呼び覚ました。そんな時、綾瀬の前に佐藤弘という少年が現れる。佐藤弘とは綾瀬の本名であった…。小樽を舞台に、ある中年男が不思議な少女と出会い自分探しの旅をはじめる様子を描いた、山中恒原作の小説を大林宣彦監督が見事に映画化した作品。

「はるか、ノスタルジィ」の解説
青春時代を過ごした小樽を訪れた作家と彼に町を案内する少女が、作家の本名を名乗る不思議な少年に導かれて、痛ましい青春の記憶を再生させていくドラマ。「転校生」「さびしんぼう」に続く原作・山中恒、監督・大林宣彦のコンビの第三作で、山中が故郷・小樽を舞台に書き下ろした作品を大林自身が脚色、大林ファンタジーの集大成的な作品になっている。先に公開された「青春デンデケデケデケ」の前に撮影された作品で、「ふたり」に続いて石田ひかりが主演、少女・はるかと、三好遥子の二役に挑んでいる。友情出演として多岐川裕美、石田ゆり子、入江若葉、岩松了ほか多くのゲストが顔を出している。小樽・札幌・大阪などでは九二年に先行公開された。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 1993年2月20日
監督:大林宣彦
原作:山中恒
出演:勝野洋 石田ひかり 松田洋治 尾美としのり ベンガル 根岸季衣 岸部一徳 峰岸徹 赤座美代子 佐野史郎 柴山智加 永島暎子 増田恵子 川谷拓三


